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第1&2旅 久留里線全駅下車①

こんにちは。村井美樹です。

今回からマンガ『新・鉄子の旅』の取材で私が撮ったスナップ&エッセイをこのブログで連載させていただくことになりました!

『新・鉄子の旅』で私が見たもの感じたものを、気ままに、そして時に熱く(?)綴っていこうと思います。

ほあしさんのマンガと合わせてお読みいただくと、二度美味しく楽しめますよ~!

どうぞよろしくお願いいたしますo(^-^)o


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さて、『新・鉄子の旅』記念すべき第一回目の旅は、千葉県・久留里(くるり)線の全駅下車。

大人達が画策して、19歳のいたいけな女の子を鉄子に巻き込む、壮大なドッキリ旅!

2008年9月2日だから、もう一年近くも前になるんですね。

この旅は…ひょっとしたら『鉄子』シリーズ史上、もっとも過酷な旅の一つに入るかもしれません。

何しろ、神村さんが、あの真冬の只見線(前作『鉄子の旅』第3集・第20旅参照)にも匹敵する(!)とおっしゃっていましたから。

…ねぇ、皆さん。覚えてらっしゃいますか?記録的な猛暑が続いた去年の夏を。

9月に入っても、暑さは衰える気配すらなく、確かその日も35℃に届くかというような猛暑日。

そんな猛暑日に…全駅下車です。

もちろん相当過酷な旅になるだろうと、覚悟はしていました。

しかしそれは、私たちの予想をはるかに上回るものだったのです…。

第1&2旅 久留里線全駅下車②へ続く

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久留里線全駅下車②

kururib.jpg

何が辛いって、次の列車が来るまでの待ち時間が…とにかく長い!!

全駅下車なので、クーラーが効いている快適な車両に乗れるのは、ほんの一瞬。

降りるとき、どれだけ憂鬱か…想像してみてください。降りれば体感温度40℃以上の灼熱が襲いかかってきます。

駅に着いても、暑過ぎて、外の風景を楽しむ余裕など、ほとんどありません。

体力温存のために、少しでも涼しい日陰にじっとして、ただひたすら時間の過ぎ去るのを待つしかないのです。…もはや生き地獄です。

つまり、

天国(6分)→地獄(49分)→天国(5分)→地獄(45分)…

延々この繰り返し。

なんでしょう、この蛇の生殺しみたいなサイクルは。

このサイクルが、怖ろしいほどに皆の体力を奪っていきます。

さらに、ようやく列車が来て、束の間の天国が味わえる~♪と思ったら…

車両にクーラーがない…!!!Σ(゚д゚;)

そうなんです。久留里線では、今時珍しい冷房なしの車両(確かキハ30形?)がたまに走ってるんです。

あの…イジメですか? これは。

もう自律神経がどうにかなってしまいそうです。

ああ、この旅が春や秋の過ごしやすい時期だったら…待ち時間、ヒマなので妄想は膨らみます。

草木や花と戯れ、鳥の声を聞き、風と遊んで…さぞかし幸福で素晴らしい旅になったに違いありません。

…妄想しても無性に悲しくなるだけなので、やめにしました。

(久留里線全駅下車③に続く)


久留里線全駅下車③

そして、ついに、魔(?)の俵田(たわらだ)駅に到着!

到着するなり、横見さんがサラリとおっしゃいました。

「ここは3分ぐらいで駅のまわりをぐるっと散策できるのが魅力なんだ。みんなで行ってきて」

私たちは耳を疑いました。

時間は午後一時過ぎ。暑さはピークに達しています。

よりにもよって、この一番暑い時間帯に、ジリジリと焼け付く炎天下の中へ…?!

でも、駅でじっとしているのにもいい加減飽きてきていたし…3分くらいだったら良い気晴らしにもなるかもしれない。

皆、意を決して足を踏み出しました。何故か横見さんだけ駅舎に残っておられるのが気がかりでしたが…。


しばらく歩いていて、異変に気がつきました。

…おかしい。とうに3分は過ぎているのに、ぐるっと回れるどころか、道は延々にまっすぐに続き、駅からドンドン離れていってるような…??

太陽が容赦なく、私たちを照りつけます。

身体という身体から汗が噴き出し、喉はもうカラカラ。頭はクラクラ。

体力はすでに限界に達しています。

ああ、私たちは砂漠を彷徨うキャラバンだ。このまま私たち、死んじゃうかも…。


その時、目の前に自動販売機が! ああ 助かった…!!

私はその中で異彩を放っている「ドデカミンスーパー」に目を奪われました。

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リ○ビタンDをそのままでっかくしたようなカタチ。「ファイトバクハツ!!」と書かれたキャッチコピー。見るからに元気が湧いてきそうです。

迷わず私はそれを選び、一気にドデカミン成分を流し込みました。

オラオラオラオラオラァ~!!(#`Д´)・:∴

…なんかもう、全てのことがどうでもよくなってきました。

(久留里線全駅下車④に続く)

久留里線全駅下車④

そうこうしているうちにキャラバンは広い国道のような道に出ました。

後ろを振り返れば、俵田の駅舎はもうはるか彼方です。

どうしよう、このまま歩いてもぐるっと回るのは大変そうだし、今来た道を引き返そうか…?

皆の顔に迷いが浮かびます。

すると、遠く、国道の向こう側から、横見さんが「おーいおーい」と手を振っていらっしゃるではありませんか!

皆の帰りが遅いので、不安に思って、反対側からコチラに向かわれたのでしょう。

横見さんが私たちをあんまりにも必死で呼ぶので、引き返すこともできず、とにかく最後の力を振り絞って横見さんの元へ走りました。

ああ、何故…何故こんなクソ暑い時に全力で走らねばならないのか…。

様々な疑問が次から次へと押し寄せますが、今は気づかないふりをします。

皆ゼーハーと息を上がらせ、ヘロヘロになりながら、やっとの事で辿り着くと、横見さんは一言、こう言い放ちました。

「ごめんごめん~俺、違う駅と勘違いしてたかも。ここぐるっと3分で散策できる駅じゃなかった」

……ブチンッ。
私の中で何かがはじける音がしました。

「…ふ…ふふ…うふふふ…」
思わず笑いが込み上げてきます。

「あはっ…あははははははははははははっ」
なんだかもう止まりません。

人はあまりに限界を超えると、笑い出してしまう生き物なのですね。

ふと隣を見れば、神村さんもヤケクソのように笑ってらっしゃいます。
ほあしさんはショックで呆然と佇んでいます。
編集長はゲル化されて、もはや、うしろの陽炎と見分けがつきません。

あはあははははは、ええやんええやん、全て笑い飛ばしちゃえっ!
みんなで笑えばハッピー!ハッピー!!キャホー!!о(ж>▽<)y ☆

俵田駅は笑い声でいっぱいに包まれました。

kururid.jpg

それから、久留里でお蕎麦をいただくまで、ほとんど自分の記憶がありません。

ほあしさんの漫画によると、毛虫にドデカミンを浴びせていたらしいのですが…本当に全く覚えていません。

暑さとは、きっと人を狂わせるものなのですね。ええ。

(久留里線全駅下車⑤へ続く)

久留里線全駅下車⑤

何度も何度も心が折れそうになりながら、どうにかこうにか持ち直し、過酷な旅も、気づけばもう終盤。

日は暮れかかり、さっきまでのうだるような暑さがウソみたいに和らいでいました。

心にも余裕が生まれて、外の風景に目を向けると…

ああ…なんて美しい…!!


kururie.jpg



里山の鮮やかな緑が光を受けて、キラキラと輝いています。

頬をそよとすり抜ける、涼やかな風。甘い草木のかおり。

遠くの方でヒグラシの声がカナカナ…と聞こえてきます。

ふと、小学生の頃の夏休みを思い出しました。


kururif.jpg


身体から、疲れがスーッと引いていきます。

過酷な旅を乗り越えてきたからこそ、こんなに綺麗に景色が映るのかもしれない。

なんだか神様のご褒美のようにも思われました。


kururig.jpg


上がったり下がったり、まさにダイヤグラムみたいな今回の旅でしたが、いろいろあっても最後には「ああ、楽しかった。行って良かった!」と心から思えるのです。

それがきっと鉄子の旅の魅力であり、横見マジックのなせる技なのでしょう。

久留里線、いつかまた訪れてみたいな。

…いい季節に。


ということで、今回のソフテツ道格言。

真夏に全駅下車はしないほうがいい


(久留里線全駅下車 ~完~)
※次回は7月25日ごろ更新。お楽しみに!!


テーマ : 鉄道旅行 - ジャンル : 旅行

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